私事だが、今年のゴールデンウィークは死ぬほど忙しかった。
就職活動の真っ最中。毎日ESの〆切に追われ、面接だ試験だダブルブッキングだと、スケジュール帳を真っ赤にした。*1
そんな忙しいスケジュールの合間を縫って、2回映画を見に行った。作品は同じものだった。
『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』
先日この作品のDVDが発売されたので、作品、役についてつらつらと書く。
※この先作品のネタバレを含みます。
自担である安田さんがこの作品に出演することが決定したのが、去年の晩夏。
『エイトレンジャー』シリーズ以外の映画出演は、初主演作の『ばしゃ馬さんとビッグマウス』以降、はじめて。『ばしゃ馬さん~』は、私が本格的なエイト沼にはまる少し前に公開された作品だったため、惜しくも劇場で観ることはできなかった*2。そのため、自担出演映画をリアルタイムで見ることができるのは、わたしにとってはじめて経験。
役どころは、作中の不可解な事件を追うエリート刑事。ドラマ『なるようになるさ』『夜行観覧車』 に引き続き、ええとこの坊ちゃん役か、とその時はまだ思っていた。天童*3の例があるとはいえ誠実な役似合いそうな好青年だから、わかるわかる。好青年の枠組みでいえば、私が安田さんにやって欲しい役の一つに幼稚園(保育園)の先生があるくらいだ。*4
しかし、一番見たいのは、犯罪者、欲を言えば殺人事件の犯人役だった。それもクソみたいな役をとにかくやってほしい。自担になんてことさせるの!?と思う人もいるかもしれないが、役者としては、悪役できて一人前、と思う部分が私にはある。また、安田さんの好青年・優等生部分から透けて見える尼のヤンキー感。この隠しきれていないチンピラさと、ギャップは絶対生かされなくてはならない!その思いが強く、殺人犯役を熱望していた。
映画『グラスホッパー』を見る山田涼介担がものすごく羨ましかった。
そして『スキャナー』は、いとも簡単に私の願いを具現化してくれた。
簡潔に言うと、安田さんの演じる佐々部は、エリート刑事だけど、実は犯人という役だった。
しかも、超強烈な恨みを持ち、明確な意思を持って人を殺める殺人者。劇中で3人惨殺し、1人を誘拐監禁、揉み合った末に拳銃で1人の足を撃つというなんて重罪野郎なんだ!いいぞ!もっとやれ!! *5
そして最後は、自分の勘違いからはじまった殺戮に対する良心の呵責、実は自分のせいで苦しめていた愛する妹への思いに耐えられず、拳銃で自分の胸を撃ち、自殺。
最高だな!!!!!
しかも聞いてくれ、自殺した時の格好は、真っ白のフリフリワンピースという女装姿。
グレートやんけ!!*6
変態じみた、けれど真面目さの見える佐々部という役を見事に演じきれていた安田さん。懇願していた以上の美味しさに感激した。素晴らしい、シェフを呼んでくれないか。
メイキングでは、Eカップのエリカ*7が拝めます。安子とは違う可愛さがあります。血だらけで、人殺すけど。
『スキャナー』という作品自体もとても面白かった。原作ありきの映像化作品が多いなか、映画オリジナルで作られた作品は、しっかり一つの物として完結するので、純粋に楽しめるしストレスがない。それでいて、脚本は『リーガルハイ』の古沢良太さん。キャラ一人一人の設定や展開が面白い。人の記憶や思いもパワー、質量であってその粒子の塊、"残留思念"を読み取る、という設定。そこをサイコメトリーといわずに、スキャンニングといい、ぶっ飛んだ能力ではなく、主人公の仙石いわく本当は誰でも出来る、とする、超能力物にありがちの選ばれし戦士感を弱め、あくまでも人間ドラマというのかな、生身の人たちのドラマにされているのが、面白かった。
そしてその現代的なコミカルさを萬斎さんに合わせてくるセンスというのがすごい。そしてそれが本当に合う萬斎さん。これが現代劇初挑戦だなんて!ややこしや〜!*8
脇を固める役者陣もとても豪華且つ実力派。
杉咲花ちゃんと萬斎さんのイチャイチャシーン(語弊)、可愛らしくて微笑ましかった。
マイティーズシリーズとして、続編も期待できる『スキャナー』。まあ続編が決定したところで、安田さんは未来永劫出演することはないのけれど……(死んでるからね!)
素晴らしい作品で、素晴らしい役をさせていただいた安田さんを誇りに思う。これをリアルタイムで見ることができて本当によかった。
ぜひAmazonでポチってみてください。